食への意識

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10年以上前、まだ自身が20代の頃、お金持ちの先輩に超高級焼肉店のディナーに誘ってもらった時のことだ。

なんとなくの会話の流れで先輩は私に質問した。

「良い肉なんだからどんどん食べて。今日のお昼は何食べたの?」

私はありのままに正直に答えた。

「ありがとうございます!お肉最高です!昼食は、サッポロ一番みそラーメンです」

目の前にある高級焼肉との比較という、ちょっとした自虐の自覚もあっての発言だったが、想像以上に変な空気になった。

その先輩の女友達2人、明らかに私より生活水準の高い彼女達からは、はっきりと「可哀想」という空気を察知した。

先輩は優しいので、

「俺は最近思うんだけど、人生の残りの食事の回数ってもう限られてきてると思うんだよ。だから一回一回の食事を大事にしたいんだよね、いや決してインスタントラーメンを悪く言うつもりはないんだよ、気を悪くしたらごめんね。」

と仰った。

女の子たちは、なるほど〜確かに〜、と感心していた。

私はお肉をご馳走になっている分際で、やかましいわほっとけ!と感じると同時に、なるほど!と感じた。

一回の食事への意識を変えるだけで、もしかしたら先輩のように偉大になれるのかもしれない。

そんな感情を持ったのを思い出す。

 

あれから10年以上経つのか。

私の収入は微々たるものだが、増加した自負がある。

しかし、私は好んでインスタントラーメンを食べている。

本当に美味しい。

塩も好きだ。

時は経ち、私の世界も広がり、周りにはお金持ちの知り合いも増えた。

皆、楽しそうにジャンクフードを食べている。

ちょっと考えりゃそりゃそうだ、食べるわ。

あの先輩、女性の前でかっこつけやがったんだな。

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